健康編
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寝る時 着せすぎ注意
冷え込む冬の夜。子どもが布団からはみ出して寝ていると、風邪を引かないか心配になる親もいるでしょう。
布団や毛布を重ねて掛けてやるが、寝汗をかいて体を冷やしてしまうこともあります。冬でも「温めすぎ」には気をつけましょう。
ある母親が「1歳10ヶ月になる子どもの寝相の悪さ驚くことがあります。毛布や布団をすっかりはねのけている日もあります。体が冷えないか心配です。」と、相談に来ました。
ある素材メーカーの話によると、「成人で快適と感じる体と衣類の隙間の温度は31~33度、・湿度は40~60%と推定されます。」とのことです。
幼児の場合は、代謝が活発で体温も高めなので、寝具との隙間の温度は成人の場合より低い方がいい。という見解があります。
睡眠環境調査によると、
①寝室が一緒でも、子どもは季節を通じて母親より多く汗をかいている。
②冬場でも4割の子どもが布団を掛けずに寝ている時間があった。
③冬場に上から掛ける寝具(毛布・布団・羽毛布団など)は3枚以上使用が3割以上」 という結果がでました。
気をつけなければならないのは「布団ははねのけられても着せた衣類は脱げない」ことです。
着せ過ぎに注意し、布団や毛布も重くならないように気をつけましょう。もちろん、靴下は履かないで素足の方がいいです。
寝汗は寝入りばなにかくので、頭や首筋に汗をかいていたら衣服の調節をしましょう。
手や足が冷たくないか、汗ばんでいないかを触って確認してみてください。 昼間の生活で大切なことは、なるべく外で遊び、冬の寒さを体験することです。
体温調節をつかさどる自律神経の発達を促し、スムースな眠りにつながるからです。 昔から「子どもは風の子」といわれて育っていくものです。体を冷やすことを過度に恐れないことも大切です。
《まとめると・・・》
*大人の感覚で暑さ、寒さを考えると着せ過ぎになりがちになるので注意!
*寝ている時に汗をかいていたら、衣類を見直す!
*寝具は重くなり過ぎないように!
*体に触れて子どもの適温をみつける! 2012・11月読売新聞家庭欄より -
肥満
肥満とは・・・
からだの脂肪組織が必要以上に増えた状態をいいます。 (実測体重―標準体重)÷ 準体重 ×100- 20%~29%・・・軽度
- 30%~49%・・・中度
- 50%以上・・・・・高度
原因としては・・・
病気(ホルモン異常・先天異常)以外は ①過食 ②運動不足 ③不規則な生活 ④ストレス といった生活習慣がほとんどです。 消費エネルギーよりも摂取エネルギーが多いと、体脂肪として蓄えられてしまうので肥満になります。最近の傾向・・・
最近は子どもの肥満が増えてきました。 これは動物性脂肪や塩分が多い「欧米型の食生活」や「外食」や「レトルト食品の使用」が大きく影響しているといわれています。要注意・・・
子どもの時肥満だった場合、大人の肥満に移行する可能性が高いといわれています。 つまり、将来的に「高血圧」「糖尿病」などの生活習慣病をひきおこす危険を含んでいます。症状・・・
肥満になると、運動能力が落ちて動きが鈍くなります。そのために・・・- 子どもらしい活発さがなくなる。
- 性格が消極的になりがちになる。
- 外遊びを嫌がる。
治療
1.食事療法- 心身の発達がめざましい時なので、勝手な判断で食事療法をするのは危険です。
- 中度、高度の肥満の場合は大きな病院で専門医にかかるのがよいでしょう。医師と栄養士とカウンセラーと連携をとりながら指導してくれます。
- 軽度の場合は「バランスのとれた食事」をし、「体重をチェック」しながら少しづつ体重を落としていきましょう。
- 苦手な運動を強制すると、長続きしません。
- 体を動かすことの楽しさを体験できるものが良いです。
- 例えば お母さんと一緒に買い物に行ったり、家事をしたりすると自然に体が動きます。
- お父さんとは休日に公園で追いかけっこをしたり、ボールあそびをしましょう。
*「あせらず・ほめて自信つけさせて」精神的なフォローを忘れずに頑張らせましょう。
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あせも
あせもは皮膚についた汗や汚れが汗腺をふさいでしまうことが原因でできます。赤ちゃんや幼児は、大人と同じ数の汗腺をもち、新陳代謝も活発です。汗や汚れを放置しておくと、汗腺をふさいで「あせも」になってしまいます。症状
赤いブツブツした湿疹ができます。できるところは・額・頭・首・手足のくびれたところ・脇の下・背中・おしりなど汗がたまりやすい場所にできます。 かゆみがあるので、不機嫌になります。治療&ケア
皮膚を清潔に保つことがいちばん大切です。タオルで拭くより、石けんで洗い流す方が効果的です。 ひどいときは、皮膚科にいって処方してもらいましょう。 ※あせもができてしまう前に、予防をすることが大切です。予防
- 汗をかかないように、部屋を涼しくしましょう。
- 汗をかいたら、こまめに拭きましょう。
- 汗で湿った下着や服は、こまめに取り替えましょう。
- 汗をかいたときは、シャワーをあびせましょう。
- ぬるめのお湯で入浴させ、入浴後はタオルでしっかりと拭きましょう。
- 湿疹をかきこわさないように、子どもの爪を短く切っておくようにしましょう。
- 基本的にベビーパウダーはつけないほうがよいです。(汗腺をつまらせてしまう)
- つける場合は薄くつけましょう。
あせものより あせもをかきむしってしまい傷ができます。傷に細菌がつき化膿することをいいます。 あせものよりは、頭の中や皮膚のやわらかい部分にできやすいです。 化膿するのでジュクジュクして痛みます。あせものよりを放置しておくと、あとが残ったり、髪の毛が抜けたりりしますから、早めに皮膚科で受診しましょう。
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手足口病(てあしくちびょう)
夏に多く流行する病気です。 病名のように、手・足・口に発疹ができる感染症です。 比較的軽いうちに治るが、感染力が強いので、うつさないように注意しましょう。 「コクサッキーウィルス」による感染症です。 潜伏期間は3~5日間で、発疹が出ている間は感染しやすいといわれています。 5歳以下の乳幼児に多い病気です。 症状は発疹だけなので、それほど心配はいりませんが、まれに*「無菌性髄膜炎」という合併症をおこすことがあります。 (頭痛・嘔吐がある場合は注意しましょう)症状
- 手足口病口の中の粘膜・舌・歯肉に赤い水疱性の発疹ができる。 (発疹が破れると痛みます)
- 手のひら・足・おしりに発疹ができる。(痛みやかゆみはありません)
- 軽い発熱や鼻水がでることがある。
- 発疹は1週間ぐらいで、乾いて消えていきます。
治療
- 安静にしていれば自然に治ります。
ケア
- 痛みもかゆみもないので、軽く考えがちですが、感染力が強いので、周囲にうつさないように気をつけましょう。
- 水分をしっかり取らせましょう。
- 口の中が痛むようであれば、味を薄くし、かたいもの・辛いもの・酸っぱいものは避けましょう。
- 食後はぬるめのお湯やお茶を飲ませ、口の中を清潔にしましょう。
- 発疹があるうちは入浴は避け、シャワーだけにしましょう。
ウィルス性髄膜炎 「コクサッキー」などのウィルス感染によるもので、合併症として発症することがあります。 症状は軽いので、心配は少ないです。
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虫歯
6月4日は『虫歯予防デー』です。 子どもの虫歯についてお話します。乳歯について
- 個人差はありますが、だいたい3歳ごろまでに「20本の乳歯」がはえそろいます。
- 生後7ヶ月くらいからはえ始めますが、早い子は6ヶ月からはえてきます。
- 下の前歯が2本、次に上の前歯が2本はえます。
虫歯のできかたについて
- 口の中の虫歯菌があまいものをエサに、「歯垢」をつくる
- 歯についた歯垢の中で、虫歯菌が糖を分解して「酸」をつくる
- 酸が歯の表面のエナメル質を溶かす
- 虫歯菌が歯の中に侵入していく
虫歯がおよぼす影響
*痛みがあるため、噛むを嫌がるので・・・- あごの発達を遅らせる
- 栄養状態を悪くする
- 言葉の発達を遅らせる
治療
『早期治療』が大切です。(小児歯科の処置がいいでしょう) 大人でも歯の治療を苦手とする人が多いように、子どもも嫌がるでしょう。 でも治療が遅れれば、虫歯はどんどん進行してしまいます。ケアについて
*歯磨き習慣をつける- 乳児の場合―授乳の後にぬれたガーゼで歯をふきましょう
- 歯ブラシが持てるようになったらー歯ブラシを持たせて、歯ブラシを口に入れる習慣をつける
- 自分で磨けるようになったらー親が仕上げをする
- お菓子だけでなく、ジュースにも気をつけましょう
- おやつは糖分の少ないものを選びましょう
- 決まった時間におやつを与えましょう
- カリシウムを多く含む食品(小魚や乳製品)を積極的に献立に加えましょう
- 早期に虫歯を発見できれば、進行を止める治療だけですむ場合がある
- フッ素を塗って、酸におかされない予防法があるので、小児歯科を受診してみましょう
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揺さぶられっ子症候群
米国では20年前あたりから話題になっていましたが、日本でも2002年より母子手帳に掲載されるようになり、注意が呼びかけられています。 『揺さぶられっ子症候群』とは・・・・ 生後6ヶ月以内の新生児や乳児の身体を、過度に揺すぶることで発生する内出血などの諸症状をいいます。 また、児童虐待とみなされています。(叱るとき、『両肩つかんで、身体を前後に揺する』) ある程度、体が成長した児童では起こりにくいですが、まだ首が据わっていなく、頭蓋骨に隙間の多い新生児や乳児で行うと大変です。 眼底出血・頭蓋内出血(クモ膜下出血など)・脳挫傷をおこす可能性があります。 また運動機能的な障害や発達障害、あるいは最悪の場合では死にいたる危険性があることも示されています。 症状- ぐったりしている
- 顔色が悪い
- けいれんする
- 呼吸の異常
日常生活で気をつけること
- 放り投げるように、高い高いをしない
- 寝返りしはじめた赤ちゃんが50㎝くらいのソファーなどから落ちないようにする
- お座りを始めた頃、ごろんと転ばないようにする
- 長時間のドライブ(「ベビーシート」を着用)
- 赤ちゃんを泣きやまそうとして、強く揺さぶらない
でも・・・誤解をしないように!
- こどもをあやそうとして、腕で首を支えた状態で、優しく揺らしたぐらいでは発生しません。
- ドライブで長時間移動する場合は、ベビーシ-トに適切に寝かせ、休息をとりながら移動すれば問題はありません。
【あまり神経質になりすぎないこと】が大切です!
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歯磨き
歯が生え始まる幼い頃から歯磨きの習慣をつけていきましょう。 歯磨きは「いつ頃から?」「どのように?」「どうしたら嫌がらない?」にお答えしましょう。 最終的には〈ひとりで、上手に>磨けるようにしていきましょう。 年齢別の目安は・・・ 1歳歯の数 上下あわせて「6~7本」 親のサポート 1.食後に麦茶か水をのませ、口の中をさっぱりさせる習慣をつける 2.歯磨きの様子を見せ、食後には歯磨きをすることを知らせる 3.子どもが歯ブラシに興味を示したら、持たせて一緒やってみる 4.「仕上げ磨き」をスタート! 子どもの様子 食後に口の中をさっぱりさせると「気持ちがいい」ことが実感できる 歯の数 上下合わせて「14本~16本」 親のサポート 1.食べたら歯磨きをする習慣をつける 2.自分で磨きたがったら、満足するまでさせる 3.子どもが磨いた後、「仕上げ磨き」をする 子どもの様子 自分で自由に磨くのは好き 仕上げ磨きは短い時間しかもたない 歯の数 ほぼすべての乳歯が出揃う(20本) 親のサポート 「仕上げ磨き」は必要 子どもの様子 前歯や奥歯を意識して、自分で磨ける - ぬいぐるみを使って「歯磨きごっこ」
- シールのご褒美
- お母さんも一緒に磨こう
- 鏡を見ながら磨こう
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インフルエンザについて(2)
「新型インフルエンザ」の猛威がニュースを賑わしている今日この頃です。大流行にならないことを願います。さて、インフルエンザについてお話しましょう。子どものインフルエンザの合併症
高熱が出たときは熱の高さよりも、他の症状が無いかどうか注意する事が大切です。- 痙攣を繰り返す
- 呼びかけても反応しない
- 意味不明な言動がある
- 呼吸困難がある
- 唇が乾燥している。尿の色が濃い。(脱水症がある)
- 嘔吐や下痢
水分補給
インフルエンザは数日間高熱が続く病気なので特に小さな子どもは「脱水」が大敵です。根気強く水分補給をおこなってください。 ※冬を健康にのりきりましょう。
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インフルエンザについて(1)
「新型インフルエンザ」の猛威がニュースを賑わしている今日この頃です。大流行にならないことを願います。さて、インフルエンザについてお話しましょう。インフルエンザとは…
インフルエンザウィルス感染する事によって起こります。インフルエンザにかかった人の咳や、くしゃみなどで飛び散る水滴をあびたり吸い込んだりすることにより感染します。症状は…
①突然の38度以上の高熱が出て下がらない ②頭痛・関節痛・筋肉痛・のどの痛み・咳・鼻水等の症状が出る ③倦怠感・寒気が続く ※ただし、小さな子どもの場合、②③の症状がはっきりしない場合がありますので、注意が必要です。早めに受診をしましょう。インフルエンザの予防
日常は… ①十分な栄養と休息をとる ②室内の乾燥に注意しましょう。加湿器などで適当な加湿をする ③外出時のマスク、帰宅時のうがい・手洗いをする 予防接種… 予防接種が有効です。13歳未満の予防接種は1~4週間隔をおいて2回接種する必要があります。効果が現れるのは、接種してから2週間後と言われています。 ※子どものワクチン接種は医師にしっかり相談してからにしましょう。
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熱
熱があるとき
年齢が小さければ小さいほど、ちょっと疲れたり、ちょっとした環境の変化だけでもよく熱を出します。子どもの体温は、大人の体温に比べて高く、「36.5度~37.5度」くらいです。一般的に子どもは、熱に強く、少々熱があってもいつも通りに平気で遊んでいたりすることがあります。元気で機嫌が良ければ、そんなに心配しなくてもいい場合が多いものです。熱があるかないかは、- 平熱を測って知る。平熱より1度以上高い。
- 38.5度以上ある。
<ケアの仕方>
高熱のとき ◆頭は氷枕・アイス枕で冷やす ◆氷のうやビニール袋に氷を入れ、タオル包んで、わきの下・足の付け根に当てる。 ◆座薬を肛門に入れて熱を下げる。 ◆湯冷まし・冷ました麦茶を、たびたび飲ませる。 寝かせるとき ◆熱の上がり際は室温を上げ、布団を1枚多くかける。 ◆熱が上がりきったら、室温を暖め過ぎない。 ◆吐いたのもが気管支に詰まらないように、横向きに寝かす。