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チック症
チック症とは
チック症とは、本人の意思とは関係なく、突然声を発したり不規則に体が動いたりする不随意運動による脳神経の病気のことです。
4歳以降の5人に1人は、なんらかの症状がみられるといわれています。
多くは軽いものであり、1年以内に自然と症状がなくなるケースがほとんどで、病気と診断されることはまれです。
女児に比べて2~3倍男児に多くみられる傾向があり、10~12歳の頃に最も症状が激しくなるといわれています。
チック症は運動チックと音声チックに大別され、それぞれ単純性と複雑性に分けられます。
その中で、症状が1年以内に消失するものを一過性チック、運動か音声のいずれかが1年以上続くものを慢性チック、両者が1年以上続くものをトゥレット症候群といいます。運動チック
◆単純性- まばたきが多い/目をぱちぱちさせる/白目をむく
- 首を左右上下に振るなど、首を曲げる
- 顔をしかめる/鼻をならす・ひくひくする
- 口を曲げる/舌を出す
◆複雑性- 身体をのけぞらせる
- 匂いを執拗に嗅ぐ
- 腕を振る・回す・屈伸
- 手を叩く/物や人を蹴ったり叩いたりする
音声チック
◆単純性- 風邪でもないのに咳払いや咳をする
- 必要以上に鼻をクンクン鳴らす
- 舌を鳴らす
- 「アッアッ」「ん、ん」など声を出す
◆複雑性- 同じことを大声で何度も繰り返す
- 不謹慎な言葉や汚い言葉・わいせつな言葉を発する
- 他人の言葉をオウム返しする
- 自分が言った言葉を繰り返して言う
チック症の原因
チック症の原因は、根本的にはまだ解明されていません。
家系内で多くみられる傾向があり、遺伝的な要因が関与していることが考えられています。
別の病気や感染症が誘因になると考える研究者もいますが、明確なことは分かっておらず、現時点でもまだ研究途上の病気であるといえます。チック症の治療・対処法
チック症は、周囲の人には特異な動きをしているように見えても、本人は意図してやっているわけではありません。
そのため、罰を与えたり、行動を制限したりすることは意味がないばかりか、むしろ症状を悪化させることがあり悪影響です。
症状が軽度であれば、心配する必要はないと安心させることが最善の治療になる場合が多く、家族が病気を理解し、学校の先生や友達にも病気について説明し理解が得られているのであれば、治療は行われないことがほとんどです。
具体的な治療が必要な場合には、行動療法や投薬による治療も選択肢にあるようなので、まずは気になることがあれば早めに医師に相談しましょう。
いずれにしても、適切な対応を周囲の大人が理解して、子どもが安心して過ごせる環境を作ってあげることがとても大切です。